平成が終わってからの働き方は?

【長距離ドライバーがキツイ理由】長距離トラック横乗りで分かったドライバーがツライ7つの話



 

 

実は以前、転職の合間に長距離トラックの横乗りアルバイトを2ヶ月ほど経験したことがあります。

「横乗り」とはトラックの助手席に乗って荷物の積み下ろしをサポートするもので、運転こそしないものの結構過酷なお仕事。

知り合いの頼みでやったアルバイトだったのですが、前職での人間関係に疲れ果てた後だったこともあって「大型の免許取って、知らないところをいろいろ行ってみるのもいいかな〜」なんて気楽に考えていました。

 

が、実際は長距離トラックのお仕事は想像以上に大変な事やキツイことがたくさんあったんです。

正直言って「長距離トラックはもう勘弁」です。

 

そこで今回は、普通の人は知らない「長距離トラック運転手の大変さ」をまとめてみました。

副業とは言えないのでちょっといつもの記事とは違いますが、「働く」「稼ぐ」という点では興味深い内容になっていますよ。

 

長距離トラックは基本的に一般道を走るので労働時間が長い

 

長距離トラックといえば高速道路を快調に走っているイメージってありませんか?

ユーミンの歌にあるように「右にはビール工場左には競馬場」なんて感じで。

十兵衛もそう思っていました。疲れたらサービスエリアに入って休憩、ってな感じだろうなあと思っていたのですが、実際は高速道路を使うほうが稀なんです。

 

その理由は高速料金が高いから。

例えば、東京から大阪の吹田までを東名、名神高速を使うと、普通自動車は8070円(ETC利用)です。

が、これが大型車料金となるとなんと17590円!と倍になります。

たまにならいいんでしょうが、常に高速道路を使うというのは運輸会社としては経費削減上できないんでしょうね。

 

 

そういえば「200kmまでは中距離だ!」と言ってた運転手の言葉が忘れられません。

 

なので基本的に長距離トラックは高速ではなく一般道を使います。

当然高速利用より時間がかかるので、取れる選択肢は出発時間を早くするという事。

トラック運転手の労働時間が長いのは宿命なのです。

 

ちなみに今の大型トラックはほぼオートマです。

渋滞時に細かいクラッチ操作していた時代の運転手さんは大変だったでしょうね。

 

風呂に入れないトラック運転手は◯◯でシャワーを浴びる

 

長距離トラック業界の話で一番驚いたのがコレ。

よく「家に帰れるのは週末だけ」なんて話をよく聞くので、いつお風呂に入るんだろう??と思っていました。

もしかして、「1週間入らないのは当たり前」とか「濡れタオルで体を拭く」のか?

 

正解はガソリンスタンド内にあるシャワーを浴びる、との事でした。

街中にあるガソリンスタンドにはありませんが、国道沿いで大型トラックが給油できるくらい大きなガソリンスタンドにはほぼこのシャワー施設が備わっています。

しかも、ガソリンスタンドでのシャワーは無料で使えるんですよ。

 

また、いちいち店員に許可を取る必要もないので使い放題なのです。(そこまで使わないけど)

なので長距離トラック運転手のみなさんは、例外なくこんな感じの「マイお風呂セット」を用意しています。

 

まあ、夏場ならいいんですけど、冬のシャワーはキツイですよね。

冬はやっぱり湯船に浸かりたいものです。

 

 

 

荷物の積み込み・積み下ろしがきつい

トラック運転手と聞いてイメージするのはやっぱり運転。

鼻歌歌いながら、誰にも邪魔されない時を過ごしているイメージが。

 

しかし、トラック運転手といえどもハンドルを握ってアクセルを踏むだけでよい、という訳にはいきません。

運輸業たるもの依頼のあった荷物を積んで下ろすのもセットです。

宅配便の方をイメージすると分かりやすいかもしれません。だけど、この積み下ろしが本当にキツイ。

 

あなたはパレットというものを知ってますでしょうか?

 

このパレットに運ぶ荷物がブロックのように積み上げられていたなら結構ラクです。

フォークリフトでぐうぃーん!と荷台に積み上げればいいからです。

 

しかし、全ての荷物がこのように整然と用意されている訳ではありません。

お客さんによっては「この荷物をパレットに積んでね」とほったらかしのこともあります。

 

例えば建築に使うアルミサッシなども運んだことがあります。

扉くらいのサイズのものから、手のひらサイズのものなど大小様々な建築部品を運ぶ際には一つ一つ手積みする必要があります。

 

 

 

この部品たちが工場内に部品ごとに置いてあって、それらを10トントラック一杯になるまで積み込みます。

テトリスのように隙間なく積み込むと足腰はもうパンパンになります。

 

ちなみにこのアルミサッシは夕方富山県で積み込んで夜中の3時に名古屋市で下ろす、という皆が嫌がるハイパーキツイ案件だそうで確かに十兵衛が一番コタえたものでした。(多分このために呼ばれたんじゃないか)

ダンプカーの運転手とかだと、他の人が土砂などを機械で乗せてくれるので積み込み中はただ待機していればよいのですが、その分お給料が安いんだとか。

 

 

腹痛でも簡単にはトイレにたどり着かない

日本にはコンビニエンスストアがいたるところにあります。

ひどいところはセブンイレブン・ローソン・ファミリーマートが並びで建っているところもあります。

なので私たちは基本的にトイレ探しに悩む事はありません。

しかし、長距離トラック運転手は気軽にコンビニに寄る事はできないんです。

 

理由は大型トラックを駐車できないから

そう簡単に路駐してコンビニに寄る事はできないんですね。

当たり前ですが。

 

こうなると、トイレや食事は高速のパーキングや道の駅に頼らざるを得なくなります。

田舎の方に行けば大型トラックが停められるコンビニはありますが、どのコンビニも大きな駐車場を持っているとは限りません。

突然の腹痛に襲われた時、目の前にコンビニがあっても寄る事ができないという悲しい状況が。

「あ!小さいコンビニ見つけた!」と思っても、我慢の子なのであります・・・・・。

 

 

 

長距離トラックの宿命「待つ、そして待つ」

宅配便なんかの場合、不在通知を書いて宅配ボックスなんかに入れておけば無事配達完了となる訳ですが、長距離トラックの荷物はそういう訳にはいきません。

基本的に大型トラックが積む荷物は工場から工場へ搬送するものです。

お客さんの工場にも様々な都合があるので早く着いたからチャッチャと降ろそうぜ!とはなりません。

 

トラック運転手は工場が開いたり、自分の番になるのをひたすら待つ、ということになります。

 

じゃあ、ちょうどの時間に着けばいいんじゃ?と思うでしょう。

しかし、そういう訳にもいかないのです。

 

工場などにはいろんな所からいろんな荷物が届きます。

いろんなトラックが積み下ろしをしにやってきます。

当然、他の長距離トラックも虎視眈々と早く自分の荷物を積み下ろししたいと考えているんですね。

 

そうなると、他のトラックが積み下ろしをしている間は待たなければいけないので、必然的にみなさん我先に!と順番待ちをすることになります。

 

よく道路にいくつもの大型トラックがエンジンかけて停まっていることがありますが、実はアレ、休憩が目的ではなくて積み下ろしの順番に並んでいるんですね。

 

 

 

大型トラックは速度を監視されているので早めに出発する

車を運転している時に大型トラックの後ろに付いたことは一度くらいあるでしょうが、今度こんな機会があったら是非トラックの最後尾を観察してみてください。

必ずと言っていいほど「このトラックには速度抑制がついてまっせ」マークが付いているハズ。

 

速度抑制装置というものは、トラックが制限速度を超えた場合チャイムなどでお知らせしてくれるシステムです。

昔の乗用車にもありましたが「アンタ、スピード出し過ぎっすよ!」と機械に注意されちゃうんですね。

 

大型トラックは基本的に一般道では60km/h、高速道路では80km/hというのが速度制限の目安です。

でも、「いくらチャイムが鳴ろうが、無視してもっと飛ばせばいいだけじゃね?」と思われるかもしれません。

ウルサイんだったら、イヤホンで音楽でも聞いてれば?と。

もちろんそんなズルには対策がなされています。

 

大型トラックの速度抑制装置には飛行機のフライトレコーダーのように、何時に時速何キロで走っていたかというデータが事細かく記録されているのです。

もうこれはゴマカしようがありません。

これに引っかかってしまうと、減給などのペナルティが待っています。

 

なので、大型トラック運転手は遅れそうだからぶっ飛ばして、という事ができないのです。

つまり、自分の時間を削って早めに出発するという方法をとるしかないのです。

 

荷物がいっぱいだとお化けより坂道が怖い話

長距離トラックは大型が多いので、積み込む荷物も必然的に多くなります。

ということは、重い荷物を載せて走ることが多くなります。

 

大型トラックの場合、何トンもの荷物を運ぶので発進する際どうしてもゆっくりになります。

そりゃあ、パワー使うでしょうから。

よく発進が遅いトラックを見かけますが重い荷物が原因なんですね。

 

でも、平坦な道の場合だと遅いだけで済むのですが、登り坂の場合だと話が違ってきます。

信号待ちや渋滞などで登り途中で止まってしまうと、再び走り出すのがものすごく難しいのです。

ローギアにしても、これがまたビックリするくらい動かなくなります。

 

熟練運転手は信号などで止まることが分かっている場合、前の車との車間を死ぬほど空けて止まらないように超ゆっくり走るようにしているそうです。

 

雪が降っている場合登り坂で止まると、相当ヤバい事態になるとか・・・・。

夜中の山中で動けなくなったら、お化けよりも怖いかも。

 

まとめ

普通の人はなかなか知ることができない長距離トラックの世界を覗いた結果、なかなか厳しい世界だなあ、というのが正直な感想でした。

昔は給料も今の2〜3倍はあったらしく荷物も「運んでやる」というような立場だったそうですが、今は「運ばせてください」という状況だそうです。

トラック業界への参入障壁が低いからなんですね。

鼻歌歌いながら物見遊山〜♫的なイメージを持っていた十兵衛は、長距離トラック運転手の過酷さに閉口する思いでした。

 

とはいえ、この過酷なトラック運転手をやってくれる方がいてこその日本経済です。

物流のほとんどをトラックに頼っている現状では、トラック運転手の皆様には頭が上がらないのは違いなさそうです。

 



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